【赤ズマロン新旧比較外観編】1958年製ズマロン2.8cm F5.6と復刻ズマロンM28mm F5.6を比較してみた!

先日書いた通り、1958年製ライツズマロン2.8cm F5.6(以下オリジナル)が我が家にやってきた。これで復刻版ライカズマロンM28mm F5.6(以下復刻)と、新旧2本の赤ズマロンが揃ったことになる。

と、いうことで、まずやりたかったのが新旧赤ズマロンの比較。

撮り比べ?いや、今日は雨なのでまずは外観比較。復刻版の外観がどれだけオリジナルに近いのか、どこが違うのか、徹底的に比べてみたいと思う。

目次

艶ありポリッシュ仕上げのオリジナルとサテン仕上げの復刻

まずは外観の仕上げから。

素材は同じ真鍮製だが、左のオリジナルは艶のあるポリッシュ仕上げで、右の復刻は艶のないサテン仕上げになっている。鏡筒よりもレンズキャップの方がその差は顕著のようだ。

ポリッシュ仕上げの方が味わいがあり個人的には好みだが、オリジナルも鏡面のようなツヤツヤではなく2本の差はわずか。もしかしたらオリジナルも元はサテン仕上げだったが、68年間使い込まれてポリッシュ仕上げのようになったのかもしれない。

L/Mリングを再現した復刻

続いては外観形状の違い。

今回は比較のために本来L39スクリューマウントのオリジナルにL/Mリングとリヤキャップを装着しているのだが、右の復刻にも切り欠きがあるL/Mリングを装着しているかのように忠実にオリジナルを再現しているのが面白い。

ただ、これは形状を再現しただけで、これを切り離してL39スクリューマウントとして使用することはできない。

レンズキャップは大きな違い 径も違う

レンズキャップは大きな違いがある。

凸形状のオリジナルに対し、凹形状の復刻。そして書体と大きさもかなり違う。

そしてオリジナルのレンズキャップを復刻に取り付けようとしても収まらず、逆はブカブカ。内径はオリジナルの方が小さいようだ。外径も同様にオリジナルの方が小さく見える。

ピントレバーの形状も大きく違う

ピントレバーは新旧ともに頭の部分がクルクルと回転するのは同じだが、その形状が大きく違い、オリジナルは円錐型で復刻は円柱型。おそらくだが、尖った形状だと怪我をするリスクがあると判断して、円柱型に変更したのだろう。

また、その根元の回転しない部分は復刻の方が広く、ローレットはより深くなっている。

ちなみに、オリジナルのピントレバーの頭の部分がピカピカに輝いているのは製造から68年が経過した証。多くの方がこの部分に指の腹を添えてきたのだろう。

絞りリングのローレットはオリジナルの方が細かい

ピントレバーのローレットは復刻の方が細かかったが、絞りリングのローレットはオリジナルの方が細かく刻まれている。

文字比較 レンズ銘板に『Ernst Leitz Gmbh Wetzlar』と刻まれるのはオリジナルの証

続いてはレンズ銘板を比較してみる。

『Ernst Leitz Gmbh Wetzlar』と書かれるのはオリジナルの証。現在は社名が変わったため、復刻であれどそれを書くことはできず、『LEICA』とのみ書かれている。

復刻版ではアルファベットが大文字になっていて、書体もオリジナルとは違うようだ。ニコンがクラシックスタイルのDfを発売する際、社内規程と違う古いNIKONロゴをペンタプリズムに掲げるのに苦慮した、と、どこかの記事で読んだことがあったが、ライカにもロゴの細かい社内規定があるのかもしれない。

鏡筒側面には絞り値の下に被写体との距離を示す目盛りがあるが、この方向が新旧で違い、オリジナルではレンズを横にした時、自然に読めるようになっている。

撮影時は上から覗くので、復刻版の方がいいが、まあ、距離目盛りはあまり見ないので実用的にはどちらでも構わない。

文字の角度では赤ズマロンの所以となった、赤い絞り値の文字の方向も違う。

左のオリジナルは文字の右がレンズの中心になるようにぐるっと一周書かれているが、右の復刻はGermanyの文字を下にして右側が左方向にレンズの中心、左側が右方向にレンズの中心がくるように刻まれている。

まあ、どうでもいいが、カメラに装着するとGermanyの文字が下のくるので、復刻の方がしっくりする。

結合部

外観比較の最後はボディとの結合部。左がオリジナルで右が復刻だが、パッと見ではほぼ同じように見える。

大きな違いは写真下の6bitコードで、復刻にはあるがオリジナルには当然ない。

電子接点のないオリジナルはExifデータを読み込むことができないので、自らLightroom classicに入力しなければならない。

最後に

今回は1958年製ズマロン2.8cm F5.6と、復刻ズマロンM28mm F5.6を徹底的に比較してみた。かなり細かく比較してみたので違いが色濃く出たが、基本的にはこの2本がかなり近い位置にあるということを感じた。

60年前と今とでは職人による手作業も減っただろうし、レンズづくりの方向性も変わってきただろう。そんな中、60年も前のレンズにこれだけ近づけたライカ社の努力は計り知れない。

オートメーション化が進む日本のカメラメーカーでは、ここまで再現することは絶対にできない。ライカだからこそつることができた復刻赤ズマロンなのだろう。

ということで、この2本の素晴らしいレンズを所有する喜びを感じながら、今後も2本の赤ズマロンを大切に運用していきたいと思った。

いや、比較はまだまだ続く。本題の写りはどうなのか?同じダブルガウスタイプの4群6枚構成のレンズだが、やっぱり同じような絵になるのか?

ということで、近日撮り比べをするので、興味のある方はお楽しみに。

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