ライカには銘玉と謳われるレンズがいくつか存在する。
そのうちの1本がライツ ズマロン2.8cm F5.6(以下赤ズマロン)。長い歴史の中で、カメラ愛好家からの絶大なる評価を受けたレンズだ。
中古市場でも人気の通称赤ズマロン。ライカはそれに目をつけ、復刻レンズの第一弾として販売した。
その復刻ズマロンを手に入れて早速旧街道歩きで使ってみると、その魅力に心を奪われた。そしてホンモノの赤ズマロンを使ってみたくなり注文したことは、前回の記事で書いた。
本日、赤ズマロンが届いた。
さて、オリジナル赤ズマロンは復刻を超えるのか。早速開封してじっくりと見てみたいと思う。
赤ズマロン開封 新品のような古希レンズ!

マップカメラの箱を開封し、プチプチを丁寧に広げると、伝説の赤ズマロンが登場!
見慣れた近年のミラーレス機用レンズとは比較にならないほど極端に小さなボディだが、持ってみると驚くほどズッシリ重い。真鍮鏡筒はこの重量感が実にいい。まあ、現代のバカでかいレンズを真鍮素材にしたら重すぎて持ち運べないが。
そしてとんでもなく綺麗な見た目にまた驚く。相場より高い美品というマップカメラの評価だったが、その名に恥じぬ輝き・・・もしや、復刻版を間違えて送ってきたのか!?

そろそろ古希(70歳)を迎えたであろうレンズがこんな美しいはずはない。復刻版かもしれないと思い、マウント部を確認するとL39スクリューマウント(以下Lマウント)。

さらに、レンズキャップを外してみると、『Ernst Leitz GmbH Wetzlar』の刻印。とんでもなく綺麗な個体だが、紛れもない、本物の赤ズマロンだった。
このレンズは私の生まれる遥か前に製造され、それから約70年の長きに渡り、たくさんの方に大切にされてきたのだろう。私は50年で薄汚れてしまったが・・・。

細部の作り込みも素晴らしく、文字のハゲや鏡筒のスレなどの劣化はまったく感じない。

この絞りの文字が赤いのが赤ズマロンと呼ばれる所以だが、それもいまだにしっかりと赤いまま。美品だなあ。
絞りリングのトルク感も最適で、ピントレバーを無限遠まで回すとカチッと音を鳴らしてロックする。丁度いい硬さと心地よい響きだ。
考えてみると、赤ズマロンが発売されたのは、大ヒットしたライカM3発売の翌年なので、豊富な資金でしっかり作り込みされたのだろう。
シリアルナンバーを確認すると1958年製!

ライカ製品はシリアルナンバーから製造年がわかり、赤ズマロンのシリアルナンバーの位置は後玉の横に刻まれている。
私の赤ズマロンを確認すると、シリアルナンバーは『1557068』と書かれており、オールドレンズジャパンというサイトで調べてみると、1958年製だということがわかった。
昭和33年・・・東京タワーが完成した年!
映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で描かれた、あの時代に製造されたレンズ・・・。
このレンズは68年の間に様々な方が様々な場所で使い、途方もなく多くの被写体を見てきたのだと思うと、不思議な気持ちになる。
長い期間を経て私の元に届いたこの赤ズマロンを、今後も大切に使い、次の世代に引き継いでいかなければと思った。
L/Mリングはライカ純正を購入するも・・・

ところで、赤ズマロンはなぜ当時新発売されたばかりのMマウントではなく、Lマウントにしたのだろうか。
調べてみると、発売したばかりのMマウントでは販売本数が見込めないと判断し、大量にユーザーがいるLマウントにしたようだ。今ではマウント界の超大御所たるMマウントも、赤ズマロン発売時は赤子だったとは・・・。
さて、私のライカM11に装着するにはLマウントからMマウントへの変換リングが必要になるのだが、検索してみるとサードパーティーから豊富にラインナップされている。まあ当時のレンズは電子接点が存在しないので、簡単に製造できるのだろう。
でも、せっかくオリジナルの赤ズマロンを手に入れたので、変換アダプターも純正にこだわりたい。

ということで、ライカ純正品(28/90mm用)を購入したのだが・・・取り付けてみるとピントレバーが無限遠ロック状態から動かない。

理由は後日別の記事で書こうと思うが、結局サードパーティ製のK&Fコンセプトの変換アダプターを購入して、無事ピントレバーが動いたのだった。
代を重ねても変わらぬM型ライカのデザインで、いにしえのレンズも統一感この上無し

では、M11に赤ズマロンを装着してみると・・・ベストマッチ!最高にカッコいいじゃん!!(語彙力0点)
最近はソニーαシリーズなどにオールドレンズを装着して、撮影を楽しんでいるカメラファンを多くみるようになった。
あれはあれで否定をしないのだが、最新ミラーレス機にオールドレンズだと、デザイン性といった観点からは少し残念に見える(個人の見解)。

対して、初代M3から大きくデザイン変更していないM型ライカならば、M11に古希レンズを装着してもご覧の通り統一感はこの上無し。多くの方は、オールドレンズをクラシックフィルムカメラに取り付けているように見えるだろう。
撮った写真が重要だろ?見た目など関係ない!という意見が多数だと思うが、私としては撮影スタイルにも気を配りたい。
ならばバルナックライカを使えって?はい、ごもっとも。いずれはバルナックで使ってみたい。
最後に

ということで、今回は購入したライツズマロン2.8cm F5.6、通称赤ズマロンをじっくりと見てみたが、マップカメラの評価通り非常に美しい個体で、68年も経ったレンズだとは到底思えない。
素晴らしい個体を手に入れた喜びと同時に、次の世代にしっかりと引き継いでいかなければならないという使命感を持ったのだった。


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